彼の作品に映るのは、どこかシンプルで抽象的な石造の建物と、ヤシノキ、そして大きな石。一見、自然に囲まれた、開放的で、ピースフルな風景のようで、はたまたどこか未知の惑星の荒廃した街並みのようにも思える彼の作品たち。モチーフとなるのは彼の故郷であり、かつて観光で栄えながらも、年々衰退していく街を幼少時代の記憶を辿り描かれた街。
そこには変えられない現実への不安とともに、現在地への愛着から生まれる希望の未来が、絶妙なタッチと色使いによって描かれており、それは誰しもが、生きるために飢えている感情のように思えます。
作品にはタイトルがありません。
人も動物も登場しません。どこかで見たことがあるような、なんとなく記憶にあるような、、、作品のタイトルはあなたが決めて下さい。歩き疲れた時は立ち止まって、記憶の旅に出かけましょう。
<開催概要>
タイトル:NOBODY IS THERE Yohei Ogawa
開催期間:2023年6月24日(土) ‐7月9日(日)
開催場所:CIBONE Brooklyn