現在のGIFTEDを語ることにおいて、この言葉が相応しいのは間違いないと思いました。
彼が作る作品は、非常に解像度が優れているという印象があります。
過度に装飾的とは思わないし、分かりやすい仕草で誰も思いつかないカタチを追い求めているわけでもなく「ジュエリーを身に着ける」というただその行為を尊重し突き詰めた結果のみが作品として示されていると思います。
とはいえ、彼が取り組んでいることを紐解くと、そこにはより大きな価値が見えてきます。 美しく、強度があり、そして永く残っていくもの、それを生み出すためには特別なことをするのではなく、どれだけ一つの作品に対して時間をかけ、自身の作品を生み出す工程や意味と向き合い、そこに彼の無数の思慮と理論を存在させるかに尽きると思います。
一言でいうと、どれだけ気持ちが入っているか。
陳腐な言葉に聞こえますが、それがなければ時代を超えても残っていく存在になるとは思えないのは、そういった作り手の熱量や献身といった抽象的とも思える背景を私たちが大事にしているからであり、共感できるからに他なりません。
誰が、1000以上の工程をかけて作られたモノに対して敬意を抱かずにいられるのだろうか。
誰が、50年以上前に生まれたマスターピースに目線を向け、そこに勝ろうという強い思いに共感せずにいられるのだろうか。
誰が、200年後の誰かにも確実に届いているという自負の中で磨かれ生まれたモノに対して価値を見出さずにいられるのだろうか。
GIFTED デザイナー である増﨑は、愚直に作品に向き合い、自身の至高をおよそ四半世紀におよぶキャリアを積み重ねた今でも追い求め、モノを作り続けます。同時に、彼はとても外向的で人と話すことが大好きな人間であり、彼の周りには、無数の言葉があふれているのは間違いありません。ただ、その言葉や想いは、一つのカタチの中に込められており、私たちはその結果の作品に触れ、身に着けるのみなのです。
「MORE THAN WORDS」と銘打たれたGIFTEDのジュエリーにおける現在地、ぜひご覧ください。
開催:CIBONE(表参道)
2023年6月24日(土)‐7月17日(月)