ガラスという素材の潜在的な美しさと、彼自身の持つ美への渇望から生み出される、光井の代表作ともいえる二つのシリーズが並びます。
どちらも作家自らが宙吹きによって作られた作品であり、一方は緻密に使い手のために計算されたような硬質なシェイプに凛としたたたずまいの静かなグラス、また一方はガラスを擬人化することにより素材の持つ奥ゆかしさや柔軟さを持ち合わせた想像力をかきたてる、独自の世界観を持つオブジェクトです。
それは”用と美”という言葉に表されるような境界線がはっきりとした対照的な二つの作品に見える一方で、グラスには彼の筆跡ともいえる手仕事が刻まれ一つ一つが稀有な存在となり、オブジェクトは肩の力が抜けたようなユーモラスで手に取る人への安息の場となるように、と願いを込めます。
光井は、この二面性と言える表現活動を行き来する身軽さと、決して型にはまらない彼の表現力が、それぞれを唯一無二の存在を作り上げていると言えます。
ぜひ、その日その時のあなたの気持ちに正直に、思いのままに彼の作品に触れてください。
<開催概要>
タイトル:Glass Exhibition / SILENCE and Bottle people Takeyoshi Mitsui
開催期間:2023年3月24日(金) ‐ 4月27日(木)
開催場所:CIBONE Brooklyn